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政治倫理条例改正及び関連決議に関するページです。順次、充実させていきますので、時々ご覧ください。
政治倫理条例とは?
政治倫理条例とは、市長や副市長、または議員といった方々が、その立場を利用して、行政に不正な働きかけ、いわゆる「口利き」をすること、その「口利き」により、行政がゆがめられることのないように、決められた条例です。
大阪府堺市で、汚職事件をきっかけに1983年(昭和58年)にはじめて制定されました。飯塚市は、九州では2番目、全国でも7番目と早い制定でした。
主な改正点
今回の条例改正での主な点は、次の3つです。
1)政治倫理条例の対象を市だけから三セク等関連法人へも拡大すること。
2)資産報告制度を廃止すること。
3)贈収賄罪有罪判決後の説明会を起訴前に前倒ししたこと、同じく職務関連犯罪であるあっせん利得罪まで拡大したこと。
以上の3点が主な改正点です。以降、それぞれについて説明します。
1)政治倫理条例の対象を市だけから三セク等関連法人へも拡大すること。
三セク等関連法人への拡大というのは、今までの政治倫理条例が市長や議員の不正な働きかけについて、市だけを守っていたのに対し、市の設立した財団法人や出資している株式会社等へ制度を拡げるものです。
例えば、今までの制度では、「今度市がする○○センター建築工事に関して、この業者にやらせろ!」と言うのは、政治倫理条例違反でアウト!ですが、「今度株式会社福岡ソフトウェアセンターが行う○○事業に関して、この業者にやらせろ!」とか、「今度の財団法人飯塚教育文化事業団の職員募集にこの○○さんを採用しろ!」というのは、セーフでした。
今回は、こんなのも当然ダメでしょ!アウトにしようというものです。
ちなみに、飯塚市には以下のような該当団体があります。
公益財団法人飯塚市教育文化振興事業団、(株)福岡ソフトウエアセンター、飯塚土地開発公社、飯塚都市開発(株)(アイタウン)、一般財団法人サンビレッジ茜、一般財団法人筑豊勤労者福祉協会(ハイツ)等。
2)資産報告制度を廃止すること。
資産公開制度を廃止するのは、不正な口利き防止の制度なのに、①年200万円を超える経費を要しているにも関わらず、②閲覧者が極めて少なく(マスコミ含めここ5年で4人)、なんといっても③制度として有効でないからです。
資産報告書は確定申告の添付は義務付けられていますが、その他の記載事項は本人の言い分を信用するしかありません。「たんす預金」の報告も不要です。例えば3つの通帳があっても2つしか資産報告書に載せなくても分かりません。
○○市長や××議員が、ある会社から「今度の○○庁舎建設工事はウチの会社にさせて」とお金や宝飾品などをもらっても、正直に資産報告書に載せると思いますか?
載せるはずもありません。でも調査権もなく調べようがありません。
このような制度では不正な働きかけは見つけられません。飯塚だけでなく、他の自治体を含めこの資産公開制度で実際に不正な働きかけを見つけたという事例を私は知りません。言葉悪いですが、まさにザル法です。
配偶者や同居の親族まで資産報告をさせろという意見もありますが、息子や娘の給料や貯金、借金がいくらあるかなどを報告させるべきでしょうか。給料の変化を見ると勤務先の業績さえも透けて見えます。
有効な制度にするためにプライバシーをいくら犠牲にしても、いくら条例を改正しても、警察でもない審査会に強制調査の権限を持たせることは出来ません。
資産公開制度で、本来の目的の不正な口利きは発見できません。
3)贈収賄罪有罪判決後の説明会を起訴前に前倒ししたこと、同じく職務関連犯罪であるあっせん利得罪まで拡大したこと。
今までの制度では、贈収賄罪で市長や議員が逮捕起訴された場合、裁判所で有罪となったあとでも市長や議員を続けようとする場合、自ら市民へ説明するために説明会を開催したいと申し出ることが出来るようにしています。また罪に問われた市長や議員が説明会を開催しようとしないときには、市民50人の署名があれば説明会の開催を要求できるようになっていました。
しかし、裁判所で判決がおりるまでにはかなりな時間が必要です。今回の改正では、判決を待つことなく、起訴された時点で自ら説明会を開催できるように、また同じく市民50人の署名での開催請求を可能としました。また、対象犯罪が贈収賄罪だけだったのを同じ職務関連犯罪であるあっせん利得罪まで拡大したものです。さらには、判決で有罪となった後には、説明会の開催を義務づけしています。
提案理由説明(本会議にて)
本会議にて以下のような提案理由の説明を行いました。
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1983年の堺市の政治倫理条例に続き、合併前の飯塚市では極めて早期に政治倫理条例を制定し、今日に至ります。その中で合併による空白期はあるものの当初の資産公開のみの条例から、政治倫理基準を加えるなど時代に合わせ変更をしてきました。
しかし、平成19年の政治倫理条例制定後、政治倫理審査会から資産報告義務者、審査会委員構成及び配偶者等の市との請負契約について平成20年より提言がなされており、平成26年度の審査意見書に対しては議会としての考え方を報告したものの平成27年度も政治倫理審査会から同じ内容の提言がなされています。このような状況をみたときに、政治倫理確立のためにどうあるべきかを再度議論する必要があると感じ、今回の条例改正に至ったわけです。
そのありかたを考えたとき、現在の政治倫理条例が市のみを対象にしていることが、財団法人等の三セクをはじめとし市の関連法人が多数存在する中で現状にそぐわないこと、また政治の要職にある者が説明責任を果たすために開催する説明会について対象を広げることが市民の負託に応えるものであると判断しました。
他方、資産公開制度については多額の税金を使いながら維持しているものの閲覧者は極めて少数であり形骸化していると判断しました。
今回の条例改正については、大きく以上の3点を主なものとし、全般を見直したものです。
また、あわせて、提案している決議については、改めて政治倫理基準について確認するとともに、この政治倫理基準に違反して市職員等に不正な働きかけなどを行った場合に、対処するための制度を早急に創設するように市長に要望する事としています。
以上をもちまして、飯塚市政治倫理条例の一部を改正する条例及び飯塚市議会議員の政治倫理に関する決議の提案理由とさせて頂きます。
全国での制定状況
資産公開制度を条例で制定しているのは、全国では、政令市を除く793市のうち、43市だけ。わずか5%程度しか資産公開制度はありません。その43自治体は次のとおりです。(飯塚市を除く)
【県内】宗像市・直方市・田川市・嘉麻市・宮若市・柳川市・八女市・大川市・行橋市・中間市・小郡市・筑紫野市・大野城市・糸島市・みやま市
【県外】北海道恵庭市・石狩市、長野県長野市、東京都国分寺市、茨城県常陸太田市・笠間市・取手市・つくば市、千葉県白井市、岐阜県瑞浪市、大阪府東大阪市、滋賀県草津市、兵庫県尼崎市・宝塚市・高砂市、奈良県天理市・生駒市、広島県福山市、山口県周南市、愛媛県八幡浜市、佐賀県佐賀市・伊万里市、長崎県長崎市、熊本県八代市、大分県中津市・日田市、宮崎県都城市
政治倫理条例改正の詳細および政治倫理に関する決議
○飯塚市政治倫理条例 現在の条例です。市の例規類集にリンクしています。
○飯塚市政治倫理条例の一部を改正する条例による改正の新旧対照表はコチラから。
(注)ゴメンナサイ。議会資料の一部ですが、わかりにくいかもしれません。その点ご容赦ください。
○飯塚市議会議員の政治倫理に関する決議 政治倫理条例改正案と同時に提出した関連決議です。
飯塚市議会本会議録画中継
審議模様は以下のYouTubeをご覧ください。(3分40秒過ぎから始まります。)
飯塚市議会 平成27年12月定例会(最終日) ②
飯塚市議会 平成27年12月定例会(最終日)③
活動報告
この問題を取り上げた「えぐち徹情報発信第50号」です。1月17日の新聞各紙(市内)に折り込みました。
PDF版はコチラ→ 50.pdf(14.7MB)
関連リンク
政治倫理・九州ネットワーク 会長は九大名誉教授の斎藤文男さん。独自のモデル条例案もあります。
議会及び議員に関する条例等の制定状況 平成26年12月31日現在の市議会議長会の調査です。政治倫理条例のほか、議会基本条例の制定状況などについてもあります。